いい加減暇だから、小説書いてみた。 (84レス)
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1: 2010/10/30(土)23:15 ID:A1GKdA8r(1/27) AAS
ツンデレ、書いてみた。
できれば批評して欲しい。
2: 2010/10/30(土)23:16 ID:A1GKdA8r(2/27) AAS

少女は、羽を広げた。
向かう先は天高くそびえる塔。
塔はなめらかなフォルムで、
掴まるような突起物はない。
塔の先は見えない。
雲ひとつ無い空に、塔は一筋に伸びていく。

少女は飛びたつ。空の彼方へ。
青空にどこまでも続く、塔の先、その先へ。

少女は上昇を重ねる。
省4
3: 2010/10/30(土)23:19 ID:A1GKdA8r(3/27) AAS
 ある日、少年は落下した天使を見つけた。金髪のツインテールの非常に美しい少女だった。肌は透き通るほどに白く、青色の目。年のころは12、3か。少年とほとんど同じ年頃だ。羽は血にまみれ、天使というには不釣合いな、妙に生々しい姿だった。
少女は気を失っていた。

 少年の街では、天使は高く売れる。金持ちの歪んだ性欲を満たすことが主用途だ。少年は喜んだ。これで、これから先数年の家計を気にしないで済むと。
小遣い稼ぎで冬の森に狩に出たが、非常に幸運だった。天然の天使なぞ、数十年に一度出あうかいなかの幸運だ。
「ん……」
 少女は気がついたようだ。
 捕獲用の縄を用意した少年を少女の視線が射抜く。

 想定外の少女の復活に、少年は狼狽した。
 天使は、大体の場合において、少年の村から、天気の良い日には見える地平線に垂直に立つ細い棒のようなもの。聞いた話であれば、それは巨大な高い塔らしい。その塔の上にあるという、大地から不慮の事故により落下する、というのが常だ。
 彼女達は落下を避ける行動をとるが、ギリギリのラインで運よく落下を回避するもの。又は落下のダメージで、羽にダメージを負う者に別れる。
省11
4: 2010/10/30(土)23:21 ID:A1GKdA8r(4/27) AAS
「まあ、縄を持ってるだけで、あんたの気持ちは分かったわ。
 要するに、私をとっ捕まえて売り飛ばそうって算段でしょ?これだから下界の人間は・・・」

少年は腰帯びた短刀を出した。

「まあ、そういうことだ、残念だったな」
精一杯の虚勢を張ったが、少女が笑う。
「あんた、刃の向け方、無茶苦茶よ?」
みると、短刀の刃のついた部分は少年に向けられている。

あわてて、少年は短刀を持ち直す。
「おまえ、それ以上笑うと、ぶち殺すぞ?」

少女は肩をすくめた。
省11
5: 2010/10/30(土)23:22 ID:A1GKdA8r(5/27) AAS
この時期は熊は冬眠中という祖父の話をまともに鵜呑みした自分が悪かったと考えていた。
身がすくみ、動けない。

少女は自分の羽をゆっくりと動かし、左右、ある程度の自由が利くこと
を理解すると、少年に問いかける。

「あんた、助けて欲しい?一個だけ、条件があるけど。」
「何言ってんだよ!俺はお前を狩るんだ!」
「そ、じゃあね!」

そういって、少女は羽を2,3回羽ばたかせると、宙に舞った。

少女という獲物を逃した熊は、少年に向かって突進する。
省10
6: 2010/10/30(土)23:23 ID:A1GKdA8r(6/27) AAS
少年の住む街には、クラッチ教という信仰が主に信じられている。
クラッチ教の伝承によると、人間は、遠い昔、楽園。つまりは塔の上に広がると言われる大地に住んでいた。
当時は人間にも天使と同じように羽が生えていたということだ。

怠惰と享楽を繰り返す人間に怒りを感じた神は、楽園に厄災を振りまいた。

その時、楽園の政治機構の上層部が、多数の人間を楽園から追放し、人柱として神にささげ、、
神に許しを請い、要求は受諾された。

楽園を追放された人間達は、神の祝福から見放され、羽を失い、地上に降りた。
野生動物と飢餓が蔓延する地上に。
そして、いつか、楽園に戻り、自分達の祖先を裏切った天使に取ってかわる。
そのために、再度、神の寵愛を受けるため、神に祈りを捧げるようになった。
省9
7: 2010/10/30(土)23:23 ID:A1GKdA8r(7/27) AAS
「しょぼい家ねえ、ワインの一本もないなんて。」
そう言いながら、鹿の燻製を大口で噛み千切り、麦を発酵させたアルコール濃度の低い酒を流し込む。

少年の家は裕福な家庭ではない。狩人である祖父と少年だけの家庭である。
冬用の備蓄もそろそろ底をつきかけている厳しい少年の家庭の台所事情等おかまいなしで、
少女は食料を胃にかきこむ。既に、この食事だけで3日分の食料はやられていた。

「不味い食べ物だけど、空腹は満たしたわ。今度はもっとまもとな物を用意しなさい。レント、命令よ?」
少女は腹をさすりながら、少年に言う。

「まだ、冬は終わっていない。まともな食料なんてあるわけないよ。サーシャ」
と、レントと言われた少年が口を開いた瞬間、レントにサーシャと言われた少女の肘鉄が飛ぶ。
「サーシャ様でしょ?あんた、自分の立場、分かってるの?奴隷よ、奴隷。」
省13
8: 2010/10/30(土)23:25 ID:A1GKdA8r(8/27) AAS
レントのいる地域では、通例、男は14歳から本格的な狩猟者となる。
レントはまだ12歳であるため、狩りの真似事のような遊びはしたことはあったが、
本格的に森や山に入ったことは無かった。
まだ、雪の深い森をレントは弓を持ち獲物を探す。
冬の森では、獲物は見つからないだろうが、野草やきのこ程度なら、
雪を掘り返せば発見できるかもしれない。
運がよければ、ウサギ程度なら仕留めることができるかもしれない。
ただでさえ少ない備蓄が予期せぬ来訪者により、食い荒らされている。
祖父も老体をムチ打って山に入るが、状況は芳しくないようだ。

「ねー、レントー、お腹減ったー」
省9
9: 2010/10/30(土)23:25 ID:A1GKdA8r(9/27) AAS
絶対、嘘だ。
サーシャについて、気がついたことがある。
この少女は、暇が非常にキライなようだ。
と、いうよりも、じっとできないタチのようだ。
小屋の中で暇をもてあますと、思いつきの遊びでレントを虐待する。
この間は、落ちた干し肉を手を使わずに口のみで拾って食べろと言われた。
その様をみて、この少女は腹を抱えて笑っていた。
羽が完治するまでの、暇つぶしなのだろうか、レントは完全におもちゃにされていた。
遊び道具が森に入り、手持ち無沙汰になる時間が嫌なんだろうことは、容易に推測できた。

ゆらゆらと空中を漂い、器用に木を避けながらレントについていたサーシャは
省12
10: 2010/10/30(土)23:27 ID:A1GKdA8r(10/27) AAS
「おい、サーシャ、鹿肉食いたくないか?」
「んーキライじゃないけど、そろそろ、干し肉とか燻製は勘弁してもらいたいわね。いい加減、飽きた。」
「あれ、見ろ。仕留めれば、10日分の食料にはなる。」
レントが鹿の親子を指差す。
「あら、かわいらしい小鹿さんだこと。」
「で、熊から逃げたときにやったみたいに、俺をあそこの近くに運ぶことはできるか?
 空の上から弓を放てば、多分、仕留められる。」

「私に重労働させるつもり?」
少女はつまらなそうにレントに答える。
「サーシャに頼んだ俺が馬鹿だったよ。」
省5
11: 2010/10/30(土)23:29 ID:A1GKdA8r(11/27) AAS
川辺には鹿の姿は無かったが、レントも狩人の孫だ。
足跡を発見すると、獲物の追跡に入った。

少女の姿はかなり上空に見えた。
狩りの現場は彼女にとって暇つぶしの対象とはならなかったのだろう。
つまらなそうに宙を泳いでいる。

レントは疲労につつまれていた。足が雪道にからみ、重く感じる。
既に追跡を開始してから
6時間は経過している。

レントは細心の注意を払い、獲物を追う。
におい、物音、ささいな事でも獲物は捕食者を察知し、逃亡する。
省1
12: 2010/10/30(土)23:31 ID:A1GKdA8r(12/27) AAS
「やっと、見つけた。」
鹿は、雪を掘り起こし、その下の草を食んでいた。
レントは親鹿に弓の狙いを定める。
その時、風の向きが変わった。
臭いが鹿のほうに流れる。
親鹿の後、一瞬送れて小鹿が同方向に駆け出す。

レントが弓を構えていることを確認した親鹿が、きびすを返し、逃亡の方向を変えた。
狙いのつけやすい障害物がない場所に親鹿が現れたと同時、
レントの弓が放たれ、親鹿の首に突き刺さり、ドスンっという音と共に倒れこんだ。

「子供を、庇ったのか?」
省5
13: 2010/10/30(土)23:33 ID:A1GKdA8r(13/27) AAS

「うわー、グロイわね、これは。」
サーシャが言った。

鹿を木と縄で宙刷りにし、ナイフで胴体部分に切り込みをいれたレントは鹿の腸を引きずり出していた。
「グロイって言い方はないだろ。これで、俺達は飯食ってるんだ。」
黙々と少年は解体を行う。

腸と内臓と持ちきれない肉は雪の中にうめておく。
天然の冷蔵庫の役割を果たし、2,3日は腐らないだろう。
後日、祖父と共に、回収に来るつもりだ。

「そういえば、天使は、死ねば、どうなるの?」
省10
14: 2010/10/30(土)23:33 ID:A1GKdA8r(14/27) AAS
二人は家路に着いた。
「そういえば、礼を言ってなったな。」
レントの口が開いた。
「んー?なんのことー?」
少女は空中を回転しながら答える。
「鹿、獲物の場所、教えてくれるために、木に登らせたんだろ?」
「勘違いしないでね。アンタの為じゃない。新鮮なお肉がお腹一杯食べたかっただけよ。」
つっけんどんに少女がレントに返した。

「まあ、そういうことだろうとは思ってたけどさ。ほんと、可愛げがねー女だな。」
「少しは口の利き方に気をつけてもらえる?私は、あなたの、ご主人様なんだからね!」
省6
15: 2010/10/30(土)23:34 ID:A1GKdA8r(15/27) AAS
サーシャがものすごい勢いで鹿肉を平らげる。
初めて解体現場を見たとき、レントはしばらく肉が喉を通らなかったが、サーシャにそういう概念は存在しないらしい。
ほとんど焼いていないレアな状態の肉を次々に口に放り込み、麦を発酵させた酒で流し込む。
「やっぱ、肉は、レアね、レア。」
そういいながら、サーシャはご満悦の様子だった。

祖父と、レントはそんなサーシャを見ながら苦笑いしていた。
一緒に暮らし始めた当初は、横柄な態度に辟易していた。
態度と口は悪かったが、実際には、
家事を手伝ったり、革製品の加工を手伝ったり、以外に働き者のようなところもあった。
何より、食卓がにぎやかになったことで、新しい家族が増えたようで、祖父は多少の喜びすら感じていた。
省1
16: 2010/10/30(土)23:35 ID:A1GKdA8r(16/27) AAS

日差しに温かみがおびるようになった頃。
そろそろ森の雪も溶け出し、春の到来を感じさせる季節。
冬眠に入っていた動物も次々に目を覚まし、木々は新芽を噴出す準備を完了していた。

「ところで、サーシャ。羽の具合はどうだい?」
「んー、そろそろ、かな。多分、春になれば、本調子に戻ると思う。
 いいかげん、こんなカビ臭い小屋には辟易してたところだから、丁度いいわ。」

そんな祖父とサーシャのやりとりを見ながら、レントは少しの寂しさを覚えた。
レントの村には、同年代の女の子はいない。同年代の同居者に、ほのかな恋心を抱いていた。
健全な12歳男子の反応だった。
省12
17: 2010/10/30(土)23:35 ID:A1GKdA8r(17/27) AAS
ふーん、お前も苦労してるんだな。」
「お前じゃなくて、サーシャ様よ。この馬鹿レント。」
レントは拳骨を食らった。

行商人の一団が村に到着していた。
冬の物流はほとんどないため、多少レートが割高だが、
行商人が現れた際には村の広場には賑わう。

レントと祖父は先日仕留めた鹿の毛皮と交換で、当面の生活物資を得ようと
広場に向かっている際に、村には似合わない、黒いコートを着込んだ男が立っていた。
男は腰に長剣を刺し、弓を背中にかけていた。

「失礼、ご老体。」
省6
18: 2010/10/30(土)23:36 ID:A1GKdA8r(18/27) AAS
サーシャの姿は良く目立つ。
レントの家が村から外れているため、村民との接触を避けることはできていたが、いつまでも隠し通せるものでもない。
レントが狩りに行く際、他の狩人に姿を目撃されたのだろう。
捕獲の暁には、情報量だけで、それなりの額が支払われるはずだ。

「天使?はてさて、そのような噂を聞いたこともありませんが。」
祖父はとぼけているが、顔が引きつっている。
「そうですか、できるだけ手荒な真似はしたくなかったのですが、
 強制的に協力していただきましょうか。」

男は祖父の手をひねり上げ、後ろに回った。完全に関節が極まっている。

「な、何をなさるんですかな?」
省5
19: 2010/10/30(土)23:37 ID:A1GKdA8r(19/27) AAS

レントは、通りかかった中年の男性に起こされた。
祖父と男は既に、その場にはいない。

起き上がると、家に向かって走った。
頭の中を妄想がかける。
昔、聞いたことがある。
掴まった天使の顛末を。
大体のパターンは金持ちの玩具にされ、さんざんもてあそびつくした後、
性的興味を失った金持ちは、天使の虐待を始める。
生きたまま、手足を少しずつもぎとられ、食われる。
省11
20: 2010/10/30(土)23:38 ID:A1GKdA8r(20/27) AAS
家に着いたとき、レントの眼前には酷い光景が広がっていた。
祖父はさるぐつわをかまされ、後ろでに縛られ床に転がっていた。

サーシャが、服を剥ぎ取られ、裸体をさらしていた。
首に輪がまかれ、輪には鎖がつながっている。
腕と足を縄で拘束され、2翼の羽も縄で縛られていた。
サーシャは泣いていた。

頭の中が真っ白になり、護身用のナイフを両手でもち、男に突進する。
「これから、市場に引き渡す前に味見をしようと思ってたところなんだがな、せっかちなガキだ。」

そういうと、男は腰の長剣を抜く。

長剣が、レントの腹を貫く。
省3
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