[過去ログ] スクールランブルIF16【脳内補完】 (756レス)
前次1-
抽出解除 必死チェッカー(本家) (べ) 自ID レス栞 あぼーん

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
リロード規制です。10分ほどで解除するので、他のブラウザへ避難してください。
302: コンキスタ 04/11/07 14:55 ID:SIxVkHh.(1/13) AAS
 どうも。コンキスタです。また書いたので投下に参りました。
 もとは長編連載にできればなと思っていたのですが、結局書けなかったので単発です(笑)
 それに需要があるかどうかも疑わしい^^;
 それでも、この二人ってほとんど見ないなーと思ったので書きました。
 お付き合いしていただけると幸いです。では、投下します。

 タイトル  『 Have a date with.... 』
303: Have a date with.... 04/11/07 14:58 ID:SIxVkHh.(2/13) AAS
 『Have a date with....』

 その日、今鳥恭介は公園のベンチに座って、空を見上げていた。
 空は青く澄み渡り、白い雲がゆっくりと流れている。外にいるだけで気持ちよくなるような天気。まさに絶好のデート日和と言えるだろう。
 しかし今鳥は、半ばやけくそ気味に空に向けて愚痴をこぼした。
「ったく、なんでこうなんだよ〜」
 公園は日曜日ということもあり、暖かな家族や熱々のカップルなどがちらほら見受けられる。みんなとても幸せそうだ。
 だがそれらとは対称的に、今鳥の心は地の底よりも深く沈んでいる。
 今鳥はがっくりとうなだれて、こんなはずじゃなかったのにと、いまさらながら自分の迂闊さにため息をついた。
 彼は今、待ち合わせをしている。つまり今日はデートだ。
 相手の女の子を、彼は自分から誘った。……たしかに自分から誘ったのだが、結論から言えば相手を間違えたのだ。
省10
304: Have a date with.... 04/11/07 15:01 ID:SIxVkHh.(3/13) AAS
 二日前、金曜日の話だ。今鳥恭介はまたもバイト代が入ったことでうかれていた。
「バイト代入ったからにはデートだよな、やっぱ」
 教室で彼は腕を組み、うんうんと一人納得する。目の前の席、正確には後ろの席に座っている彼女にわざと聞こえるように。
 椅子に普通とは逆に座っている今鳥は、背もたれに腕をのせ、多少前のめりになって彼女に聞いた。
「ねえ、ミコチンはどう思う?」
「知るか」
 周防美琴はそんな彼をあしらって、前の授業で黒板に書かれた内容の写し残しをノートに書き写す。
「つれないなー。いーじゃん、一回ぐらいさあ」
「ほら、ちょっと邪魔だよ。黒板見えないって」
省6
305: Have a date with.... 04/11/07 15:04 ID:SIxVkHh.(4/13) AAS
「やっと書き終わったぁ……」
 美琴がため息をつきながらノートを閉じた。ちなみに前の席では今鳥が、美琴に殴られた頭を抑えている。
「あー、もう。お前のせいでせっかくの休み時間を無駄に過ごしちまったじゃないか」
 そう言いながら美琴は立ち上がり、歩き出した。
「あれ、どこ行くのミコチン?」
 すると今鳥も立ち上がり、彼女のあとについていく。
 美琴はそれに気づかないふりをして歩いていたが、廊下に出てもまだ彼がついてきているので、辛抱ならなくなって振り向いた。
 そして、呆れて頭を抱えながら言う。
「今鳥。お前どこまでついてくる気なんだよ」
「ミコチンがデートするって言うまで、たとえトイレにだって――」
省9
307: Have a date with.... 04/11/07 15:10 ID:SIxVkHh.(5/13) AAS
 そのとき一人の女生徒が教室から出てきた。一条かれんである。
 彼女はいまさっき「昼休みにでもやっておいて」と日直の仕事を任され、そのために同じ日直である今鳥を探していた。
 実際は一人でもできそうな仕事なのだが、せっかくだからと、彼女なりに勇気を出したのである。
「あ、いた。今鳥さーん」
 教室を出てすぐに、彼女は廊下にいる今鳥を見つけた。呼びかけながら彼に走り寄る。
 しかし今鳥は窓の外を眺めながら、なにやら独り言を言っており、一条の存在に気づかない。
「あのぅ、今鳥君……?」
 おずおずともう一度声をかける。しかし、やっぱり気づいてくれない。
 今鳥は、自分が感じもしない自然の素晴らしさをでっち上げるのに大忙しだったのだ。
 そして、その美琴をデートに誘うための壮大な前振りも終わりに近い。
省4
308: Have a date with.... 04/11/07 15:12 ID:SIxVkHh.(6/13) AAS
「あれ?」
 今鳥は何が起こったのかわからず、首を傾げてしばしそのまま固まった。
「え、あ……え?」
 一方の彼女は放心した様子で、戸惑いの声を漏らした。しかし言われたことをしっかり理解できずとも、だんだんと顔は赤くなってくる。
 やがて一条は、いまだぽーっとしたまま何度も首を縦に振った。その様子はすごく恥ずかしそうで、すごく嬉しそうだった。
 まずい。我に返った今鳥は本能でそう感じた。
「……一条、落ち着いて聞いて――」
「行きます」
「いや、だからね――」
「よ、よろしくお願いします!」
省9
309: Have a date with.... 04/11/07 15:17 ID:SIxVkHh.(7/13) AAS
 そういった経緯で今日、二人はデートすることになった。
 現在彼らはとりあえず、映画館を目指して街を歩いている。
 しかしつまらなそうに歩く今鳥と、恥ずかしがってはいるが嬉しそうな一条。
 道行く人、誰が見ても二人がデートしているとは思わないだろう。その上これから見る映画はまた特撮だ。甘いムードは出ないとみて間違いない。
 しかし――――この二人にはそれで良かったようだった。

「あー、面白かったー!」
「ええ、おもしろかったです」
 子供や親子連れに混じって、笑顔で映画館を出てくる二人。今鳥だけでなく、一条も前回のデートよりも映画を楽しめた。
 今回はドジビロンではなかったが、最近そういう特撮を見るようになった一条にも、特撮のもつ面白さがわかるようになっていた。
省5
310: Have a date with.... 04/11/07 15:21 ID:SIxVkHh.(8/13) AAS
 だが、しばらくして今鳥がそのことに気づいた。
「あれ?」
 会話を中断し、なんで楽しんでんだと首をひねる。
 彼にとっては今日がつまらない日になることは間違いなかった。だからこそ今の状況は納得がいかない。
 周防美琴とのデートだったらともかく、一条かれんとのデートだ。今日一日、びくびくしながら過ごすはずだったんじゃなかったのか。
 そんなふうに、今鳥の疑問はどんどんと膨れ上がっていった。
「どうしたんですか今鳥君」
 今鳥が考え込んでいることに気づいた彼女が聞いた。
 しかし今鳥は、遠くを見つめて首をかしげたままだ。何かよくわからないが、一条は無言で彼を見ていることにした。
 サッカーボールがベンチに座る二人の前を転がっていく。続いてばたばたと慌しく走っていく子供たち。
省20
311: Have a date with.... 04/11/07 15:25 ID:SIxVkHh.(9/13) AAS
「ハリケーンパフェです」
 喫茶エルカドに入ってしばらく経ってから、注文したハリケーンパフェが今鳥の前に置かれた。
 一条は先にきていた紅茶を飲みながら、パフェを見て舌なめずりしている今鳥のことを楽しげに見ている。
 彼女が自分を見ていることを、パフェを見ていると勘違いした今鳥は少しパフェを自分に近づけてから言った。
「やらないからな」
 そして彼はスプーンを手に取り、パフェを一口食べる。
「甘えー」
「今鳥君って甘いもの好きなんですか?」
 今鳥はその質問に素っ気無く答えた。
省16
312: Have a date with.... 04/11/07 15:28 ID:SIxVkHh.(10/13) AAS
「……んで、アマレスは?」
「あ、はい。頑張っているつもりです。大変ですけど楽しいですし。えと、今日はサボっちゃいましたけど」
 困ったように笑う一条を見て、今鳥は少し呆れながら言った。
「なんだよ。練習あったんならデートなんて断ってくれてよかったのに」
 むしろぜひそうしてくれて良かったのにと思いながら、彼は再びパフェに目を向けた。
「いえ、そういうわけには……。せ、せっかく、今鳥さんが誘って……くれたのに……」
 顔を真っ赤にし、うつむきながらごにょごにょ言う一条。
 しかし今鳥は目の前に置かれたパフェを食べるのに一生懸命で、彼女の言葉はまったく聞いていなかった。
 一条もそれに気づき、少し恥ずかしくなるのと同時に、彼の姿を見て微笑ましくなった。
 彼には子供っぽいところがある。それは特撮が好きなところだったり、パフェを食べるのに一生懸命なところだったり、普段からだったり。
省1
314: Have a date with.... 04/11/07 15:32 ID:SIxVkHh.(11/13) AAS
「そういえば、今鳥君にはそういうのないんですか?」
「え? なにが?」
「えっと、だから、その。打ち込めるものというか、真剣になれるものというか……」
 それを聞いた瞬間、今鳥は少し顔をしかめた。何故だかわからないが、彼は急に機嫌が悪くなってきた。
「別にないってそんなの」
 つまらなそうにそう言った。
 しかし、それでも彼女は楽しそうな笑顔で聞いてくる。
「きっとそんなことないと思うんです。なにかありませんか?」
 彼女の意味もなく自分の領域に踏み込もうとする言葉に、今鳥は舌を打ちたくなるのを我慢した。
 あくまでもおどけた風に、彼は言う。
省11
315: Have a date with.... 04/11/07 15:37 ID:SIxVkHh.(12/13) AAS
 たいして寒くないとはいえ、もうすぐ冬だということは間違いないらしい。
 まだ5時頃だというのに日は沈みかけており、それは夏の日が長かったことを人にふと思い出させる。
 子供達が友達に手を振りながら帰るのと同様に、二人にも別れの時がやってきた。 
 待ち合わせと同じ場所、公園のベンチ前で二人は向かい合って立っている。
 一条が言った。
「今日は本当にありがとうございました」
「いーって、いーって」
 彼にとっては、今日一日無事にいられたことだけで十分だった。晴れやかな笑顔を一条に見せる。
 その笑顔を見て顔を赤らめた一条は、少しだけ目を逸らして嬉しそうに微笑んでいた。
省12
316
(1): Have a date with.... 04/11/07 15:39 ID:SIxVkHh.(13/13) AAS
 支援ありがとうございます。
 というわけで今鳥と一条の話しでした。なんかキャラ変わってるかもと思う次第です。^^;
 肝心のデートのシーンが短い・・・。あんまり楽しくなかったかもしれませんが、たまにはということで。
 読んでいただいた方ありがとうございます。
 ではでは。
前次1-
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.027s