[過去ログ] 素人おじさん バレエ奮闘日記 2冊目 (959レス)
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1: 2022/05/19(木)07:26 AAS
東京のバレエ団付属
名門バレエ学校黒崎バレエアカデミー

その学校に20年以上通う、本作主人公初心者クラスのバレエおじさん田中さんの回想録第二弾!!
若かりし頃の田中さん、そして彼を取り巻くバレエに情熱を燃やすバレエダンサー達のバレエにまつわる物語。

○ルール○
名無しが適当にストーリーをつくり適当に投下していく完全暇潰しスレ。
連投も全然OK。
語彙力文章力一切問わず。
マニアックなバレエネタも大歓迎。
登場人物の追加やおじさんの設定を勝手に追加してもよし。
省3
2: 2022/05/19(木)18:46 AAS
■過去スレッド
素人おじさん バレエ奮闘日記【リレー小説】
2chスレ:dance
3: 2022/05/21(土)10:45 AAS
公営テレビ局につとめる安田理恵子は困っていた。

「全然いい企画思い付かないんだけどぉ!」

現在携わっている番組がそろそろ終わることもあり、新企画を考えなければならなかったのだ。
コンセプトが「その辺にいる人の頑張りや才能を世間に広める」というところまで決まっているが、そう簡単にいい企画が思い付くわけもなく…

「今日も趣味のバレエでストレス発散しよっ!」

という感じで、気分転換にベルベットのオープンクラスに通う日常を送っていた。
省9
4: 2022/05/21(土)21:45 AAS
オープンクラスバレエスタジオ、ベルベットの講師の一人、
影山清志郎はS&Bバレエ団の若きソリストだ。
お手本の美しさで人気はあるが、教え方は極めて淡泊。
次々動かしては「はい、いいですよ」とそっけない。

ところが、素人男性たちには急に指導に熱が入る。
(今日も例の三人が来たか。しごきがいがあるやつらだぜ!)

「とぉ!」「はっ!」「やっ!」
最近、ますます気合が入っている田中さん、
高瀬蓮や有沢さんに負けまいと、跳びながら思わず声が出てしまう。

「気合の入った踊りは、嫌いじゃないです。
省3
5: 2022/05/21(土)21:45 AAS
(影山先生は俺がいつか全幕の主役を踊ると思ってるんだな!
やはり、未完の大器の片鱗が見えてしまうのだろう…)

と田中さんが思っている一方で、

影山は、この前のロミオとジュリエットの公演の乱闘シーンで
気合入りすぎセットの階段から滑り落ちそうになったのを反省していた。
(気分が乗ってるときほど、ケガに気をつけなきゃな…)

「高瀬さん、ここで肩に力みが見えます。そう、空中でもエポールマンを。
有沢さんの降り方は柔らかくていいです。次のパにつなげるプリエを」

「うん、これは、なかなかの壮観だわ…!
イケメンの全身を、こう…足元からティルトアップして。
省2
6: 2022/05/21(土)23:18 AAS
ベルベットのオープンクラスは殆ど中年女性が多いためか、若い男性というだけで注目の的であった。
男性も来るには来るが金と時間にゆとりのある中年以上の男性がだいたいだ。
美青年な高瀬蓮や有沢さんはもちろん、面白キャラの田中さんもマダム達からチヤホヤされている様子。

「ねえねえ、あなた達も“オドリライフ”に参加してみない?」
「オドリライフってなんですか?」

レッスンが終わりクールダウンをしていると、女性生徒の一人が田中さん達に声をかけてきた。
オドリライフというのは年に二回、ベルベットで催される発表会で、素人の大人が多いが小品集や幕ものまである本格的な舞台だ。

「なんだか面白そうですね!」
「若い男の子が参加してくれたら盛り上がるわよ! 男性はただでさえ少ないしいい役貰えるんじゃない?」
「今年は確か『くるみ割り人形』じゃなかった?」
省1
7: 2022/05/22(日)07:18 AAS
田中さんは考えていた。
もしかしたら、自分が王子様になれる絶好のチャンスなのではないかと。ならば舞台に出るしかない。

「あの…舞台はここの生徒の方だけなんですか?」
「そうね。主役も雰囲気がマッチした上級者の生徒から選んでるわね。
男性はパ・ド・ドゥのクラスの常連さんが主役を踊っていたわ。今回は参加しないみたいだからどうなるのかしら」

これは良いことをきいたとワクワクが止まらない田中さんは、早速オドリライフの参加申し込み手続きを行った。
8: 2022/05/22(日)22:24 AAS
田中さんが参加するということで、高瀬蓮と有沢さんも面白そうだとオドリライフに参加することに。
配役決定のためのオーディションが来週日曜日にあるらしく、審査員は振付や演出を担当するベルベットの講師陣。その中には影山もいた。

「オーディション…嫌な思い出が…」

田中さんはオーディションという言葉を聞いて顔が曇った。
覚えているだろうか? 田中さんはリチャードに誘われた『コッペリア』の主役オーディションで落とされてしまったことを。

「別に役を決めるためだけですから落とされる心配は無いですよ」

高瀬蓮が田中さんにフォローをいれる。
省2
9: 2022/05/23(月)17:32 AAS
やはり幕物の王子様ともなると。
とうとう、古典バレエの華、グラン・パ・ド・ドゥか?!

「蓮くんも有沢さんもパドドゥの経験があるんだよね?」
と田中さんは二人に聞いてみた。

「ええ、この前お手伝いに行った発表会で、
アンサンブルの小品で数小節だけ組むところがあったんです。
素人の女性と踊るのは、正直、けっこう大変で…」

黒崎のパドドゥクラスに来るのは選抜された人だけだが
そういう子達とは勝手が違った。
ゲストダンサーも楽ではないと、蓮は悟ったのだった。
省2
10: 2022/05/23(月)17:36 AAS
「それが…、僕の力量が足りないせいで、
タイミング合わなくて、すごく重くて…
しょっちゅう崩れそうになって、立て直すのに苦労しました。
それでも、相手の女性が嫌な顔せず練習してくれたので、何とか」

苦笑いする蓮の横で有沢さんは、大変だった中学生の夏の記憶を思い出した。

「僕がパドドゥ踊ったのは、子供のころですけど
上手な女の子でも相手が不機嫌な日は、急に重く感じたりしました」

二人とも舞台でパドドゥ経験者かあ!
俺も早くそういう経験談を語ってみたいぞ。
「女性を美しく踊らせるのは、王子様としての務めですから」とかなんとか…。
省1
11: 2022/05/24(火)15:06 AAS
えええ?太鼓の踊り?ラ・バヤデールに出てくる?

鈴木さんは驚いてマダムケイコの顔をまじまじと見た
マダムケイコとは鈴木さんが勝手につけたあだ名で
本名は知らないが最近ベルベットでも見かけるようになった謎のがっしりした女性である

うぇぇ女性ばっかりで太鼓の踊りを毎回踊り込むんだ〜しかもすごい盛り上がるんだ〜
オープンスタジオは主催の先生によってほんと自由なんだなぁ謎だ・・・
がしかし確かにジャニーズのような細くてかわいらしい日本男子ではあれはさまにならぬ気がする

田中君なんかあのど外れ方が向いてるかもしれない

残念ながら田中君にとって王子様以外の役柄はアウトオブ眼中なのだが
12: 2022/05/26(木)07:17 AAS
「ここね…田中くんが通ってるスタジオ」

「ぁ…田中くん」

田中さんに片思い中のマリアが田中さんがベルベットに通っているのを聞きつけて行ってみれば、なんと田中さんの姿が。
更に彼がオドリライフに参加するという話を耳にした。

「田中くんは王子様を狙っているのね…。
私が参加して、金平糖の精の役をゲット出来れば、田中くんとデュエット出来るかもしれないわ…!」

マリアは王子様姿の田中さんと金平糖の精として大舞台でアダージオを踊る妄想を膨らませていた。妄想でにやつくのを堪えながら、受付に自分もオドリライフに参加すると伝えた。
13: 2022/05/26(木)23:26 AAS
田中さんのことで有頂天になっていたマリアであったが、田中さんのすぐそばに有沢さんの姿があることに気づき、気分が一気に落ちてしまった。

「ああ…何でケイトくんまで一緒なのかしら……」

憎たらしい男…。
有沢さんの姿をみる度に、苛立ちや憎悪、不満、そして何故か悲しみや喜びが混ざり合って、穏やかな気持ちになれない。

かつてはとても憧れた人だった。
誰よりも努力家で、誰よりも直向きで、誰よりも美しく見えていた。共に練習に励んだあの頃の輝きが、自分に見せた彼の柔らかな微笑が脳裏をよぎる。

マリアは思った。
あの時、有沢さんがバレエを冒涜するような態度を見せたが、こうして戻ってきたのはなんだかんだ好きだったのであろうか?
それに考えてみれば、今の有沢さんはバレエに対して誠実で、一切の迷いも無いように見える。もしかしたら、昔の彼とは違うのか?
14: 2022/05/27(金)09:37 AAS
ケイトの身体はクセがない。
あれほどすっきりした立ち姿の男性は珍しい。

あの頃、ケイトの心は全然見えてこなかった。
「もしもし?私はここにいるのよ?」といくらノックしても
決して開いてくれない重たい扉のように。
15: 2022/05/27(金)11:19 AAS
「へえ、先生によっていろんな小品が企画されてるんだなあ…」
田中さんはロビーに貼りだされている
小品作品リストや幕物の役を見ていた。

「男性は少ないだろうし、あっちにもこっちにも出てくれって
引っ張りだこだったら困るなぁ〜。
『残念ですが、先生、俺は今回はくるみの王子に集中します』
って他の先生は断らないと…」
うしし、と田中さんは微笑んだ。

おっと、いかんいかん。
ついつい安直な成功と称賛を夢見るのが俺の悪いクセ!
省7
16: 2022/05/29(日)00:22 AAS
「オドリライフか…。
でも今回は私は参加しないで、オドリライフに参加するバレエ男子達のドキュメンタリーを作りたいわね…」

安田は高瀬蓮や有沢さんを眺めながら独り言をこぼしていた。

「ああ…特にあの二人、なんて美しいの…。
シンプルなレッスン着がとても似合ってるわ…身体のラインも脚線美も……それに……ゴニョゴニョ」

舐めるような視線で、頭の天辺からつま先までみると、下半身の膨らみに自然と目が行ってしまった。
いけないいけないと、安田は首を振って邪念を払う。

「危うくあの二人でタイツ姿でイチャイチャしあうエロBL展開を妄想しちゃうところだったわ…!」
17
(1): 2022/05/29(日)08:30 AAS
『ケイトくん、僕は出会ったときから君のことが気になってた…』

『いけないよ、蓮くん、僕はこんなこと初めてで…』

『君の初めてを僕がもらうよ…』

高い天井と窓があるスタジオに夕陽が差し込み、フロアに長く伸びる二人の影。

ロダンの彫刻『接吻』…ああいうポーズがいいわね。
片方が身をゆだね、情熱に我を忘れる姿。
二人のまわりをカメラがぐるぐる回って撮影して、めくるめく恋の高揚感!
映画『マトリックス』で話題のバレットタイム撮影を試そうかしら!
省5
18: 2022/05/29(日)22:06 AAS
何やら凄い視線を察知した有沢さんは高瀬蓮から離れて、田中さんのいる掲示板の方へ移動した。
タイツのもっこりをクラスの女子からからかわれてしまった有沢さんは、その頃から自分に向けられる視線に敏感になってしまったのだ。

「田中さん、小品集面白そうなのありましたか?」
「色々ありすぎて分からないな〜。
…へえ、コンテンポラリーまであるんだ。けどクラシックの方が俺の好みだな。
有沢さんは?」

所属講師やクラスが多いだけに、小品集の演目やコンセプトなど種類も豊富だ。
またベルベットではクラシッククラス以外のクラスもあるため、コンテンポラリーやキャラクターダンス、ヒストリカルダンス(宮廷舞踏)などの珍しいものまである。

「キャラクターやヒストリカルまであるみたいですね。クラシックもいいですが、こういうのも僕は興味あります」

向村バレエ学校に在籍していた子ども時代、そこではコンテンポラリーは選択科目、ヒストリカルダンスやキャラクターはクラシック同様に必修科目であったため、有沢さんは一通り経験していたのだ。
19: 2022/05/31(火)07:50 AAS
くるみ割りか、と有沢さんはつぶやいた。

小学3年のときに、1幕の子供、兵隊、中国の踊りを踊った。
みんなで大急ぎで楽屋に走って2回の早着替えをしたっけ。
中学1年のときには、客人の踊りとあしぶえ。
民族舞踊は、白鳥のナポリやチャルダッシュ
男子たちでウクライナ民族舞踊のゴパック等々…。
向村バレエ学校で経験した数々の作品たち。

コンテの先生は言うことが独特だった。
クラシックの先生は「キチンと、はっきりと、正確に」と言うのに
「キチンと踊れず崩れた瞬間にも、表現の可能性がある」
省4
20: 2022/06/01(水)15:35 AAS
田中君はそれなりにハンサムだけど、立ち姿はちょっとがに股っぽい
中村君はひょろっと背か高くて手足は長いけどパワー不足かな〜
僕は背は足りないし、パワーはそれなりにあるつもりだけどなんか華が無い
その点有沢君は立っているだけで遠くから見ても「出来そう」なオーラがあるよね

その違いはいったいどこから来るのかな・・・やみくもにレッスンの時間を増やしたり
筋トレで体を作ったりしてもあんな感じにならない気がする

鈴木さんは理論から入るタイプ
なにせ彼は苦手な水泳を本で覚えたという猛者なのだ
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