【防犯協会】やりすぎ防犯パトロール問題【生安警察+創〇学〇】 (811レス)
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516
(1): 2022/08/22(月)19:58 ID:NsVEol8T(2/7) AAS
>>515
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 題の件について、自分の理解をまとまてみます。

 「捜査比例の原則」とは、捜査によって得られる利益と、それによって制約される市民の権利・利益が合理的な均衡を保っていなければならないというものです。

 憲法13条は、「生命、自由、及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」としています。憲法は、あらゆる場面において、公共の福祉という制約の中で、国民の権利を最大化しようとしていると読み取ることができるので、もちろん、捜査という場面でも、国民の権利は最大に尊重されなければならないわけです。例えば、捜査上の必要や、捜査によって得られる利益(公共の福祉)が10だとしたら、これによって制約される国民の権利・利益の制約も10以下に収まっていなければならないのです。10の利益を得るために、11の権利・利益を制約してはならないわけです(捜査「比例」とはこういう意味です)。

 さて、一般に、「比例原則」というと、「任意捜査の限界」という論点の中で登場します。任意捜査(=非強制捜査)といっても、何らかの権利・利益を制約することがあります。そうであれば、冒頭で述べたとおり、「捜査比例の原則」を適用すべきです。したがって、当該任意捜査をする必要性(緊急性や補充性、被疑事実の重大性、被疑者の嫌疑の濃さ等諸般の事情がここで考慮されます。)と、これによって制約される市民の権利・利益(権利利益の内容・性質、それが制約される程度等の事情が考慮されます。)が合理的均衡を保っていなければならず、これが比例していない場合には、当該任意捜査を違法と評価するべきことになります。ここまでは、普通に議論されているところです。
517: 2022/08/22(月)19:59 ID:NsVEol8T(3/7) AAS
>>516
本題に入ります。言いたいことは、「捜査比例の原則」は、何も任意捜査にのみ妥当するものではないということです。これは、当然、強制捜査にも妥当します。強制捜査は、任意捜査に比して、より高次の重要な権利・利益を制約するものですから、これに比例原則が適用されなければならないことは言うまでもないことです。教科書には書いてないのですが、十分意識しておかなければならないことだと思います。

 したがって、強制捜査の必要性、これによって得られる捜査上の利益と、これによって制約される市民の権利・利益が合理的な均衡を保っていなければならず、もし両者が比例していないということになれば、いくら令状に基づいて強制捜査をしていても、それは違法と評価されなければならないのです。

例を一つ挙げます。警察官が、被疑者を、逮捕令状に基づき逮捕する際、被疑者は全く暴れたり非協力的な態度を示していないのに、強引に捕まえ、なぎ倒し、手錠を後ろにかけて逮捕を完遂した。この逮捕行為は適法か。

 これを適法と考える人はいないと思いますが、問題はその理由です。それは、「捜査比例の原則」に反しているからです。本件の具体的な状況を総合すると、このような態様による逮捕を行う必要がなかったのに、被疑者の身体の自由・安全を大きく害しているので均衡を失しているといえます。

 しかし、もし、被疑者が暴れてもうしょうがないという事案であれば、上記例に挙げた方法による逮捕が許されます。それは、そのような逮捕に出る必要性が高いので、制約される権利利益の質・程度と均衡しているといえるからです。
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