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35: 2020/04/05(日)04:55 ID:3pc09S+n+(1) AAS
東アフリカの大地溝帯で東西に分断された霊長類だが、
どちら側で生活してたかでその後の進化の明暗が分かれた。

大地溝帯の西部は、大地溝帯にできた山脈のおかげで、
大西洋からやってきた湿った空気が雨となり、広大な熱帯雨林ができた。
そこには三種類の類人猿が生まれる。
チンパンジー、ボノボ、マウンテンゴリラである。

マウンテンゴリラはその名が示す通り、標高が比較的高いエリアを生活圏に選んだ。
そこでは密林を形成する樹木はあまりないため木登りはしなくなるが、
その分地面まで日光が降り注ぎ、草がたくさん生える。それらを食料としたのだ。

密林を生息地域に選んだチンパンジーとボノボだが、その生息域は分断されている。
大地溝帯から西へと流れ、大西洋に注ぎ込むコンゴ河がその境界線になっており、
その北岸一帯にチンパンジー、南岸一帯にボノボが生息している。

両者は元々共通の先祖を持ち、コンゴ河北岸に住んでいたのだが、
コンゴ河が干上がって渡河できる時期に、その一部が南下したと考えられている。
その後、コンゴ河は水量を取り戻し(幅数キロ、最深部200メートル)再び地域は分断された。
それにより両者は別々の進化を遂げることになる。

チンパンジーは一般に、五頭程度の群れで生活し、群れの上下関係や男尊女卑がはっきりしており、
縄張り意識が強く、攻撃的で闘争的で、しばしばチンパンジー同士で殺し合い行うことで知られる。
一方、ボノボは十数頭の群れで生活し、群れの中でのオスとメスは平等であり、
滅多に争い行わない平和的な生活を行うことで知られる。

この両者の違いは何なのだろうか?

一つ目は食料の問題である。
コンゴ河の北岸と南岸を比較すると、南岸の方が食料となる木の実がより多く実るのだ。
つまりボノボはチンパンジーに比べ食糧事情に恵まれているため、
群れの中でも他の群れとの間でも、食料を巡る争いが少ない。

二つ目の理由は生殖行動にある。
一般に哺乳動物のメスは、発情期以外にはオスとは交尾をしない。
そのためオスは限られたメスとの交尾の機会を廻り、オス同士で激しく争うこととなる。
メスとの交尾の権利は群れの中での序列で決められ、その地位を廻って屡々戦いが生してしまうのだ。

一方ボノボのメスは、発情期以外の時期でもオスとの交尾を積極的に行う。
繁殖に直接つながらない生殖行動を行うのは、オスの交尾の機会を増やし、オス同士の争いを減らす効果がある。
またオスが交尾を求める場合、メスの了承が必要であるため、相対的に群れの中でのメスの地位が向上する。
つまりオスの性欲をメスがコントロールすることで、メス自身の地位向上とオス同士の争いの抑制を行っているのだ。

そして大地溝帯の東側に残された類人猿たちは、西側と違った乾燥した大地で生き抜く必要があった。
二足歩行で視界を確保し、空いた両手を用いて道具を使うようになり、
社会的な群れを形成して天敵から身を守ったり食料を確保するようになった。
こうして東アジアの大地溝帯の東部で、人類は誕生した。
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