【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】 (1002レス)
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(1): ◆S6ROLCWdjI [sage saga] 2019/03/23(土) 17:41:07.81 ID:mHCNoPnp0(8/10) AAS
>>16
16(1): ブラックハート&リベル=アシェル◆auPC5auEAk [saga sage] 2019/03/23(土) 17:20:01.81 ID:QhqfSCns0(7/9) AAS
>>15

(……考えようによっちゃ、これ……これも、残酷だな……ドラッグに逃げるってのを、まんま見てるみたいだ……)

【なんて事のない話題に興じながら――――興じようとしながら、必死の作り笑いをしている夕月に、なんとも言えない心境になる】
【無理をしている事が、手に取る様に分かってしまうから。そして、その無理を、更なる『無理』で塗りつぶそうとしている】
【――――こんな時に「しっかりしろ」などと言うべきではない。正解が、正着手が見えないから、ブラックハートは何も言う事が出来なかった】

<……ブラックハート、ちょっと……>
――――夕月、今はもう何も考えなくていい。余計な事は、雑音は、もうこれ以上……ッ――――!?

【そんな無理が、逆方向に溢れ始めた――――リベルはもう、偽装している口調を投げ捨てて、ブラックハートに厳しい視線を向ける】
【ブラックハートとしても分かっていた。夕月に、この現実を見せるべきではない。シャットしなければならない、と】
【――――だが、もう遅すぎた。恐らく、崖際の巌を、転がしてしまったのだ】

――――ッ、ミア…………!?
<……ブラス、フェ、ミア――――ブラックハート、もしかして、夕月は……!?>
……言うんじゃないよ、『ランド』――――分かってる……分かってる。安くはないよ……何か、とんでもない、何か……あるのは、分かってるんだよ……!

【そして、夕月の口から漏れ出た愛称――――『ブラスフェミア』を表すのだろうその言葉に、2人は息を飲む】
【ブラスフェミア。恐らくは、夕月にとって、因縁浅からぬ関係であり、そして――――話題の渦中に居る、台風の目】

【――――もっと言えば、何よりも――――】

――――――――夕月、ちょっと良いかい…………――――この刻印、見た事は無いか……?

【ブラックハートは、少し間をおいて、取り出した紙に何やらマークを書いていく。30秒は掛からないだろう、書き上がったそれを、夕月へと示して】

――――これは、『ブラスフェミア』と言う人物を表す、或いは……彼女が自身で使っている、シンボルマークだって話だ……

【やりきれない様に、しかし抑えきれない怒りを表すように、ブラックハートは、努めて平明な事実を口にする】

――――アーディンの旦那の保護してた『子供』が、このマークを刻み付けられて、バラバラにされちまったんだ
……アーディンの旦那に、一杯食わした敵って言うのが……子供をズタズタにしてのけた、ブラスフェミアって女なんだよ……!

【そのマークの出所。それは、アーディンの――――恐らくは、彼の善意か何かで面倒を見ていた子供の、凄惨な有様にされた体に残っていたモノ】
【――――アーディンが現在、敵として戦っているのは。――――そこから先は、もう言う必要も無いんだろう】

【――――しかし。ここに来てブラックハートは、全く突拍子もない事を、口にし始める】

――――夕月。あたしゃ実は……元『機関』の操り人形だったんだ。セリーナが……命がけで助け出してくれて、アーディンの旦那が、世話を焼いてくれた……
おかしいよな? そもそも、敵としてさえ会った事のない、知らない他人に過ぎなかったってのに、さ……

――――他人であっても良い。話せる事があるなら、話してくれないかい? 思い違いかもしれないけど、あたしゃ……なんだか、あんたが……

【他人に隷属させられていた過去。それを持っているブラックハートは、夕月の事を「放っておけない」と思ったのだ】
【もしかしたら、何か束縛の下にあるのかもしれない。それが事実ならば、どうか話して欲しい、と――――】

【描かれたシンボルを見て、引き攣っていた唇がぐっと噛みしめられる。それだけで十分だった】
【肯定も否定もしなかった、けれど前者であるのは明らかだった。だって見覚えのないものを見るなら】
【こんな顔などしないはずだ。こんな、――ああ全部が終わってしまった、なんて悟ったような、顔】

……………………こども、を、…………ずたずた……?

【そうしてオウム返しのように呟く声色にも――やはりどこか心当たりがあるとでも言いたげな色が含まれる】
【だって彼女は、件の女から直接聞いていた。「ちょっと難しいお仕事があるから」、つい最近のこと】
【であれば「それ」が「そう」だったのだと、理解してしまうのだ。もはや逃げる場所、逸らせる話題などどこにもなく】

【――――もいちどぐう、と唇を噛みしめる。何も言い返せることなどない。これで終いだと思って、けれど】
【ブラックハートがいくらでも言葉を選んで、思慮して、言ってくれているのがよくわかった。……わかったからこそ】
【夕月はひどくつらそうな顔をする。俯いてしまう。軽く頭を横に振るのであれば、それは決別の証となって】

………………ハートさん。ハートさんとあたしは、きっと、……違うよ。
ハートさんはきっとひどい人に無理矢理言うこと聞かされてたんでしょう? ……あたしはそうじゃない。
あたしはあたしの意思で生きてる、今も、昔も、これからも――だからあたしはかわいそうなんかじゃない。

あたしは、………………あたしの意思で、ブラスフェミアを見捨てない。
見捨てられない、じゃなくて――――見捨てたくない。だから、………………だから、

――――――――――――ごめんなさい。ねえ、伝えておいてくれる?
アーディンさんに、…………シャッテンさん、ラベンダーちゃん、……アルクさんと、レグルスさんにも。
あたしきっと、…………みんなに銃口を向ける、悪い子になる。ミアのこと、殺されるの、いやだから――

【束縛されている、と言うのなら――きっとその感情にそうされているのだ。“冒涜者”が術をかけたとか、】
【そういう話ではなくて。この少女はきっと、あの女に、捨てきれない――膨大な熱量を持った感情を抱いている】
【それはきっと、今しがた口にした人々への感情を束ねたって叶わないくらいに轟轟と燃えているものだった】
【もう消し方すらわからないのだろう。抑える方法すら。だから、――少女は徐に、提げていたショルダーバッグを探って】

――――――――ほんとうはごめんなさい、だなんて言えないくらいひどいことしてる自覚はあるの、
だけどやっぱり、どうしても、…………ごめんなさい。だから、…………アルクさんに、これを……
…………もうあたしにはこれを使う資格なんてないから。だから、……返しますって。ごめんなさいって。

あたしのことを赦さないでくださいって、………………伝えておいてくれるかな。

【取り出すのは――やさしい桃色に輝くクリスタル。上質な布に包んであって、大切にしていたことを示すそれ】
【それをそっと手渡そうとして、そのまま――立ち上がって帰っていこうとするのだろう。今度こそ。ふらついた足取りでも】
【引き留められたって振り返りそうにはなかった。だって、たった今、敵対宣言したばかりの相手だった。顔なんかもう合わせられない】
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