【リレー小説】TPパニック 〜 殺し屋達の絆 〜 (924レス)
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456: 2020/04/13(月)18:47 ID:sdFQgqMf(1/13) AAS
メイファンは気を逸らさないようにしながら武器にするものを探した。
床に転がるガンリーの首を見た。

マルコムの靴の後ろからジェット噴射が始まるなり、両足のサマーソルトキックが飛んで来た。
攻撃を放つ前にマルコムが微かながらも予備動作を見せたので避けられた。

避けながらメイファンはガンリーの首を拾うと、それに『気』を込めて爆弾を作り始める。
これを爆発させて大ダメージを与え、動きを止めてやる。
こちらも爆発のダメージは食らうだろうが、『気』の鎧を作って最小限で済ませる。
計算が狂って少々ダメージが大きくてもララがいる。
ララのことは守る。ララがいれば回復が出来る。
457: 2020/04/13(月)18:51 ID:sdFQgqMf(2/13) AAS
しかし爆弾を作る暇は与えられなかった。

マルコムは外れたサマーソルトで天井を向いた足に、今度は靴底からジェットを噴射させた。
瞬時に床に倒立の姿勢で着地するなり、横からのジェット噴射で首を斬りにかかって来た。

「メチャクチャだ!」
メイファンはかろうじて避けながら叫んだ。
「人間の動きじゃねーぞ、それ!」
458: 2020/04/13(月)18:59 ID:sdFQgqMf(3/13) AAS
かろうじて避けられるのはジェットを噴射する直前になんとなく勘が働くからだ。
ガンリーのように丸見えではないが、どこかに次の攻撃を予測させるポイントは感じていた。
実際、ジェットがマルコムの身体の一部になっているわけはなく、どこかで何かの操作をしているのだろう。
口の中か、それとも手か、まったくわからないが、どこかで操作をしているような『気』の動きはあった。
しかしそれを感じた瞬間ジェットの速さで攻撃が来る。狙って来る場所も読めない。
まるでロボットを相手にしているようだ。
459: 2020/04/13(月)19:05 ID:sdFQgqMf(4/13) AAS
「すげーな、お前」
メイファンは時間を稼ごうと、相手を誉めた。
「ずいぶん苦労して身につけたんだろーな、それ」

「そう。コイツはオレにしか履きこなせない」
そう言いながらマルコムの姿が消えた。

メイファンには本当に見えなかった。

しかし勘が働き、小さくジャンプすると、アキレス腱を正確に狙っていたマルコムの背後からのローキックは空を切った。
460: 2020/04/13(月)19:10 ID:sdFQgqMf(5/13) AAS
『コイツ天敵だ!』
メイファンは手に持ったガンリーの首を苦し紛れに投げつけた。
『何もさせて貰えねー!』

首を避けるかと思いきやマルコムはキャッチした。
そしてそっと床に置く。

マルコムに隙が出来た。
しかしメイファンはそれを逃げるために使った。
何よりこの部屋に向かってもうひとつ、バケモノのような『気』が向かって来ているのを感じていた。
461: 2020/04/13(月)19:14 ID:sdFQgqMf(6/13) AAS
「チクショーッ!」

メイファンは回転を加えながら、渾身の『気』を背後の窓にぶつけた。
窓は予想通りの強化ガラスだったが、なんとか割れ、そこから急いで逃げ出した。

「大失態だ!」
462: 2020/04/13(月)19:20 ID:sdFQgqMf(7/13) AAS
「愚かな……。この屋敷から逃げられると思うか」
マルコムは余裕ある動作で窓に近寄り、見下ろす。
「父さんが自室でお前を見ている。遠隔操作のセキュリティシステムを使い、お前を逃がさない」

そこへタオ・パイパイが飛び込んで来た。

「ハハハハ! 黒色悪夢め! ここが貴様の墓場じゃ!」

「父さん……」
マルコムは手で顔を覆った。
「逃げられてしまったよ。自室にいなきゃ駄目じゃないか」
463: 2020/04/13(月)19:25 ID:sdFQgqMf(8/13) AAS
「すまん」
タオ・パイパイは素直に謝った。
「しかし、これでわかったじゃろう。あの小娘が黒色悪夢だということが」

「いや、初めて見る奴だったよ」
マルコムは言った。
「ララちゃんじゃない。別人だ」

「だーかーらー! 化けておるんじゃ!」

「何事なの?」
そう言って父の後からキンバリーが入って来た。
464: 2020/04/13(月)19:29 ID:sdFQgqMf(9/13) AAS
キンバリーは床に転がるガンリーの首を見て悲鳴を上げた。

「キャーッ! ガンリーお兄さん!」

マルコムは惨たらしいものを見せないよう、それを後ろへ隠す。

「キム。君は見るな。見ちゃいけない」

マルコムは父に言われてもまだ信じていなかった。
黒色悪夢とララちゃんは別人だ。
だって、そうでなければ、ララちゃんと友達だというキンバリーは……
465: 2020/04/13(月)19:31 ID:sdFQgqMf(10/13) AAS
キンバリーは泣きながら一人部屋を出た。

部屋を出ると、思わず顔が笑いで歪む。

そして誰にも聞こえない声で呟いた。

「まず……1人」
466: 2020/04/13(月)19:34 ID:sdFQgqMf(11/13) AAS
そして長い1日が終わった。
467: 2020/04/13(月)19:51 ID:sdFQgqMf(12/13) AAS
「もう、中国帰る!」

朝、公園のベンチに座って胡椒餅を食べながら、ララはカンカンだった。
着ている化繊の服は夜市で買ったものだ。

「こんな危ない仕事だとは思わなかったわ! 今までサッと片付けてサッと帰ってたじゃない!」

「ララ……」

「何よ、メイ!?」
省3
468: 2020/04/13(月)19:56 ID:sdFQgqMf(13/13) AAS
「ちょーーっ! 待ーーーっ!」

呼び止めるのも虚しく、ララの中でメイファンは深く眠ってしまった。

「まーーーっ!!」

何も答えはなくなってしまった。

「まーー……っ」
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