【リレー小説】TPパニック 〜 殺し屋達の絆 〜 (924レス)
【リレー小説】TPパニック 〜 殺し屋達の絆 〜 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1583808545/
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187: 創る名無しに見る名無し [sage] 2020/03/26(木) 15:14:56.98 ID:FApSBOPK マルコムはホテルの一室で、キンバリーと甘美な時間を過ごしていた。 「あぁ……。素敵だ。ずっとこうして君の中に入っていたいよ、キム」 「ああっ……! マル……っ! あたしもよ……ああっ!」 マルコムのスマートフォンにはモーリンの死を報せるバーバラからのLINEメッセージが入っていたが、二人はまだそのことを知らなかった。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1583808545/187
188: 創る名無しに見る名無し [sage] 2020/03/26(木) 15:22:43.57 ID:FApSBOPK 目を覚ましたムーリンはまた涙が止まらなくなった。 スマホを取ると、ヤーヤにLINEのメッセージを送った。 ○ お姉ちゃんが死んじゃった メッセージは見ている前で既読になり、すぐに返事が帰って来た。 なななな何? どうしたの? ● ムーリンは涙を拭きながら、メッセージを返す。 ○ あたし以外の誰も悲しんでくれない(;O;) またすぐに既読がつき、暫く待つと、ヤーヤの短いメッセージが返って来た。 今から出て来れる? ● http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1583808545/188
189: 創る名無しに見る名無し [sage] 2020/03/26(木) 15:30:05.83 ID:FApSBOPK 待ち合わせの公園に行くと、ヤーヤは既に来ていた。 涙でひどい顔になっているムーリンのほうへ駆け寄ると、肩に手を置いてヤーヤは聞いた。 「大丈夫?」 「だいじょーぶ」ムーリンは答えた。「……じゃないかも」 「お姉さんが? 一体何があったの? ねぇ?」 「仕事中に……」ムーリンはしゃっくりをしながら、言った。「しくじって……」 それ以上ヤーヤは何も聞かなかった。 ムーリンを引き寄せると、自分の胸に埋めさせた。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1583808545/189
190: 創る名無しに見る名無し [sage] 2020/03/26(木) 15:33:45.08 ID:FApSBOPK ムーリンはヤーヤのTシャツを掴んで思い切り泣いた。 暫く泣いていると、頭の上に雨のようにヤーヤの涙が落ちて来た。 ムーリンは見上げた。顔をぐしゃぐしゃにして泣いているヤーヤの顔が見えた。思わず聞く。 「なんでヤーヤが泣いてるの?」 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1583808545/190
191: 創る名無しに見る名無し [sage] 2020/03/26(木) 15:37:21.16 ID:FApSBOPK 「だってお姉さん、死んだんでしょ」ヤーヤは言った。「あたしも悲しいよ」 「会ったこともないお姉ちゃんの死を悲しんでくれるの?」 「ムーリン、大好きだったんだよね? お姉さんのこと」 「うん」 「だから、さ」ヤーヤはムーリンを思い切り抱き締めた。「ムーリンが悲しいと、あたしも悲しいんだよ」 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1583808545/191
192: 創る名無しに見る名無し [sage] 2020/03/26(木) 15:46:51.71 ID:FApSBOPK 悲しいことを一緒になって悲しんでくれる人がいれば、こんなにも救われるものだということを、ムーリンは生まれて初めて知った。 最愛だった姉のモーリンでさえ、可愛がっていた猫が死んだ時に一緒に悲しんではくれなかった。 ムーリンはヤーヤに抱きつくと、涙が涸れるまで泣き続けた。 ヤーヤはムーリンの細い腰を強く抱き締め、ぽろぽろと涙を流しながら、金色の髪をもう片方の手でずっと撫で続けていた。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1583808545/192
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