【リレー小説】TPパニック 〜 殺し屋達の絆 〜 (924レス)
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510: 2020/04/15(水)13:30 ID:GtD5nFHs(20/23) AAS
優太はバーバラ・タオの尾行にまったく気がついていなかった。

ララの露出した白い太ももに気を奪われまくっていた。
511: 2020/04/15(水)15:46 ID:4+GMnS5+(1) AAS
浮かれている優太に1人と男がやって来た。
「飛島優太、お前ホテルにいるんじゃなかったのか」
優太は振り向いた。
「あっ、茨木…の兄さん」

男は茨木だった。
512: 2020/04/15(水)17:51 ID:GtD5nFHs(21/23) AAS
「死ねや! オッサン!」
優太はいきなり茨木に殴りかかった。

「ハァ!!?」
いきなりすぎる攻撃に茨木は防御するのが精一杯だ。

「男が離れたわ」
バーバラは少し後ろを人混みに紛れてついて歩きながら、袖の中のナイフの束を握った。
「チャ〜ンス♪」
513: 2020/04/15(水)17:57 ID:GtD5nFHs(22/23) AAS
──今日、一緒にどっか遊びに行こうよ

スマートフォンの待ち受けにヤーヤからのメッセージが表示された。
ムーリンはLINEの画面を開かなかった。メッセージは相手から見れば未読のままだ。

「あたしは……誰からも愛される資格ないし……」
ムーリンは天井から吊った縄に自分の首をかけた。
「ヤーヤの友達でいる資格なんかないし……」
涙がぽろぽろと床にこぼれた。
514: 2020/04/15(水)18:02 ID:GtD5nFHs(23/23) AAS
あとは踏み台を蹴るだけでよかった。
それだけでママやお姉ちゃんのところへ行ける。

しかし震える手が縄に入れた自分の首を遠ざけた。
踏み台が倒れ、ムーリンは床に尻餅をつく。

「なんで……死ねないの?」

ムーリンは捨てられた子供のようにその場で泣き続けた。

何度死のうとしても、脳に埋め込まれた自殺防止装置が働き、阻止されてしまう。
ムーリンはそんなことなど知らず、自分の卑怯さに底のない自己嫌悪に陥って行った。
515: 2020/04/15(水)19:35 ID:QbzczbJp(2/2) AAS
「・・・あれ、黒色悪夢・・・は?」
バーバラは目をキョロキョロさせる。黒色悪夢だと近づいてみたら別人だったからだ。

「あの私に何か?」
黒色悪夢だと思っていた人が尋ねた。後ろ姿こそ似ているが全く知らないおばさんだった。

だがそれは茨木と優太たちも同じだ。
「あれぇ!?」

優太と茨木は先ほどのことを忘れたように慌てて人混みを探し始めた
516: 2020/04/15(水)22:19 ID:eYiojqzZ(2/2) AAS
「ムカつく!!」

バーバラはおばさんの胸をナイフでメッタ突きにした
517: 2020/04/16(木)00:40 ID:cxLnjbT7(1/26) AAS
歩いていたら突然、自分の口が「走れ」と命令したのだった。
ララは反射的に走り出し、意味もわからないまま優太とはぐれたのだった。
別にそれはどうでもよかった。
舗道のベンチに座ってQQなタピオカミルクティーを飲んだ。

「さっき、なんか危なかったの、メイ?」

しかしメイファンの返事はなかった。
また眠ってしまったようだ。
518: 2020/04/16(木)00:48 ID:cxLnjbT7(2/26) AAS
ララは賑やかな西門の町を眺めた。
同じ中国語を話す国なのに、自分の育った北京や現在住んでいる西安とはまったく空気が違っていた。
奇妙な髪型に黒縁眼鏡をかけた「文青」の若者達、南方系の大きな男の人、イスラム風ファッションの女性、様々な人が歩いている。
日本語の看板を掲げたアニメの専門店、ライブハウス、何やらいかがわしい感じの何かの店が色鮮やかに立ち並ぶ。
中国では耳にすることのないヒップホップが聞こえて来た。
空気は緩く穏やかで、自由という言葉がララの頭に浮かんで来た。
519: 2020/04/16(木)00:51 ID:cxLnjbT7(3/26) AAS
どこかからララも知っている台湾のヒット曲が聞こえて来た。
ララはふんふんと合わせて歌った。
でも、なんだか楽しくなかった。

「メイ」

ララは自分の中に声を投げた。

「メイ!」

返事はなかった。
省1
520: 2020/04/16(木)00:56 ID:cxLnjbT7(4/26) AAS
「たまにはオッサンとのデートもいいもんだね」
茨木と向かい合ってテーブルに座りながら優太が言った。
「緊張しなくていいや」

「お前が緊張するのは下半身だけだろ」

牛肉麺が二椀、運ばれて来た。
茨木は箸を取り、柔らかく煮込まれた牛肉を割ると、口に運ぶ。
521: 2020/04/16(木)01:00 ID:cxLnjbT7(5/26) AAS
「ララちゃん、見失っちゃったなぁ」
優太が麺をズルズル啜りながら言った。

「別に俺達はあの娘のボディーガードじゃない」
茨木は静かに麺を口に運びながら言った。
「あの娘が殺されたってどうでもいい」

「んだと!? オッサン! 俺はすごく困んだよ!」
優太は出かけた拳を引っ込めながら言った。
522: 2020/04/16(木)01:03 ID:cxLnjbT7(6/26) AAS
「あの娘に惚れたのか?」
茨木は青春のお裾分けを期待するような笑顔で聞いた。

「チャイニーズガールの綺麗な娘は現実離れしてるぐらい綺麗だって聞いてたけどさ」

「うんうん」

「あの娘はそこまではないけど」

「ないんかい」
省1
523: 2020/04/16(木)03:15 ID:yEkZSjZq(1) AAS
ホテルに帰るとララはキンバリーやジャン・ウーにこってり絞られ、
そのまま疲れたような足取りで自室に戻った。

「…あ〜、ちかれたぁ」
ララはつまらなそうな顔で溜息を付いた。
「ねぇ、起きてよメイ」
「…」
メイファンからの返事はない。しかし、気持ちよさそうに眠っているのがなんとなく分かった。

「なんだコイツ、クッソムカつく」
苛立つララはベッドの上に寝そべると布団を被って寝た。
524: 2020/04/16(木)12:18 ID:cxLnjbT7(7/26) AAS
「あれ、買ってみようか」

茨木はタピオカミルクティーの店の前に出来ている短い行列を指して言った。

「オッサンがタピるの?w いいよ、俺のも買って来て」

18歳の優太にパシり扱いされても機嫌を損ねることなく、茨木は立ち上がった。

「タピるのはギャルだけのもんじゃねぇ。俺は甘いものが大好きなんだ」
525: 2020/04/16(木)12:22 ID:cxLnjbT7(8/26) AAS
茨木が行儀よく行列に並んでいると、後ろから背中を指で突っついて来る者がいる。

振り向いて見ると、ネイビーのTシャツにグレーの短パン姿の少女だった。

茨木の顔をまっすぐ見て中国語で何か言っている。
ショートカットに丸顔の少女を見るなり、茨木は恋に落ちてしまった。
526: 2020/04/16(木)12:28 ID:cxLnjbT7(9/26) AAS
ヤーヤがタピオカミルクティーを買おうといつもの店に行くと、短い行列の一番後ろにスーツ姿のおじさんが立っていた。
あまりにタピオカミルクティーに似合わないそのおじさんを見るなり、ヤーヤはその背中を突っついた。
振り向いたおじさんの顔は傷だらけだったので、これは間違いなくお客じゃないと確信し、ヤーヤは言った。

「ちょっとおじさん。ここはお店の行列だよ。邪魔だからちょっと退いてくれないかな」

するとおじさんはいきなり挙動不審になり、気持ち悪い笑顔で「どうぞ」という手つきとともに退いてくれた。

ヤーヤが商品を買い、くるりと振り返るとおじさんはまだそこにいて、チラチラと盗むようにヤーヤの姿を見ていた。

ヤーヤは急いで走り去った。
527: 2020/04/16(木)12:35 ID:cxLnjbT7(10/26) AAS
パンパンに充填されたカップのビニール蓋に太いストローを刺し、吸い込むと、
脳天まで突き抜けるような茶葉の爽やかな香りとともに、大粒のタピオカがこれでもかと流れ込んで来た。

「おほっ!」
茨木は思わず涙を流し、言った。
「この世にまだこんな美味いものがあったとは……!」

だらけた格好で座っていた優太も、吸い込むなり笑顔になった。
「日本のコンビニで飲んだのとは大違いだわ。タピオカがもっちもち」

「台湾ではもちもちのことをQQって言うらしいぞ」

「キュッキュッって言うより、やっぱもっちもちだな」
528: 2020/04/16(木)12:37 ID:HzPMkgGz(1/2) AAS
ベッドの上で眠るララは目を覚ました。
「ん〜、どれくらい眠っていたんだろう」
起き上がって、ホテルの窓をみるともう夕暮れだ。

「・・・寝るか、やることもないし」
529: 2020/04/16(木)12:38 ID:cxLnjbT7(11/26) AAS
「それにしても台湾の女の子は可愛い……」
突然、茨木が言い出した。
「ナチュラルで、健康的で……」

「何? オッサン、恋でもしたの?」
優太はそう言ってすぐに大笑いした。
「まさかなぁ」
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